ジキルハイド症候群



今日も晴天だ。
何時もより家を出たのが遅かったからなのか、学校に向かう生徒の数は少ない。


恐らくもうすぐ予鈴が鳴るだろう。


―――キーンコーンカーンコーン…


「………あ、鳴った」


学校まで目と鼻の先だけれどあたしは急がない。
どうせもう遅刻だから、無駄なことはしない。


のんびり歩きながら、学校の門を潜る。
東高校。良くも悪くもない普通の高校。
頭が良いのもいるし、素行が悪いのもいる。


あたしは、中間。


成績も普通だし、素行は良いとは言えない。悪いとも言えない、本当に中間。


玄関に入ったら生徒は誰もいない。


その中、靴箱に靴入れてシューズにはきかえて、教室に向かおうと顔をあげたあたしは、思わず固まる。


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