桜の葉
……………後は、覚えていない。



医師達が何だか慌ただしく動き、アタシ達は外に出されて。

光に会えた時には。





呼吸器を外され、頭に包帯をまいたまま……魂の抜けた身体になっていた。


「………嘘だよ。」




アタシは、無意識に呟いた。
葉は、



「何でっっっ!?兄ちゃん助けてよっ!医者でしょッ!?」



って…泣きながら叫んでる。

アタシも、叫びたい。



ふざけんな。
ふざけんな。
ふざけんなよっ!!!



悲しみは怒りに変わって。
アタシの目からは、涙がボタボタこぼれ落ちた。


連れてかないでって、お願いしたじゃない。

酷いよ。

酷いよ、カミサマ。




目を覚ましたって……
一瞬じゃないっ!





光っ。
やめてよ?

笑ってよ。


ねぇっ?
起きて帰ろうよっ?


また、笑顔を見せてよ?
アタシ、「朔」だから、光が居ないと、輝けないよ…………ッッ!!!




バタ~ンッ。



葉が、外に飛び出して行った。
アタシは。
自分の涙を止めるコトが出来ず、


ただ



ひたすら






泣いた。

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