桜の葉
学校に着いて、アタシがまずやるコト。


それは、校庭の隅に植えられた「桜の樹」の下に行くコト。


「光ぅ。おはよー。」




アタシは、桜の樹に向かって話し掛ける。

変な子って言われても、良いの。



光が、一番好きな花だって言ってたから。

もしかしたら、光が来てるかもしれない。



あれから数年経った今でも、アタシは光が大好きだった。

伝えられなくて、昇華されなかった想い。


いつかは、光じゃない人を好きになるかもしれない。

けど。

アタシは、まだまだ光が好きだ。



瞼を閉じれば、今でも光の笑顔が浮かぶ。




当たり前だよね。
まだ、光と過ごした日の方が長いんだから。



アタシは、一人で笑った。



「早く…桜咲かないかな。ね?光。」



端から見たら、アタシはかなりの奇人。

桜の木に話し掛けてるよーみたいな?




そこで、ハッと気付く。



「ヤバイヤバイ!チャイム鳴るっ!?」


アタシは、マッハで階段を駆け上がった。

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