桜の葉
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「……何で倉石がついてくるの。」


休み時間。
アタシは、中等部まで足を運ぶ。

美都は、
「…弁当ごときに体力消耗したくない」
なんて言って、付いて来ない。


……なのに。
コイツは…。



「え?朔良が行く場所なら、どこでも行くし。」

「ほぉ?トイレにも?変態ね。」



スタスタ。
アタシは先に行く。


そして、葉のクラス。




「葉っ!!」

アタシが叫ぶと、教室が一瞬静かになる。

……ありゃ。
声、でかかったかな?




「朔良ねぇちゃんっ!?」

葉は、教室の真ん中辺りの席に、数人のクラスメイトに囲まれて居た。

葉の、サラサラした色の薄い髪が、サラっと揺れる。



パッと顔を綻ばせる葉は可愛い。
アタシは、思わず葉をグリグリ~っと抱きしめた。



「ねぇちゃんっ//?!」

「あ、ごめん。葉が可愛いから」



ブラコンですが…何か?
って…



「……倉石。離れて。」



アタシは、冷ややかな目で倉石を睨んだ。

何を考えてるのか、倉石はアタシに抱き着いてきたのだ。


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