桜の葉
--------------------------------------------------------------------------------
「っえーーーっ!?」

「ねぇちゃん、ごめんっ」


「ちょっとぉ、アタシは何食えっての。」

「んー、じゃあ、オレのコト食べる?」

「ほぉ?それはシモネタ?……マジで食うぞ、バカ葉~ッッッ!!」



アタシが葉の首を軽く絞めると、葉はアハハっと笑って。



「だって、朔良ねぇちゃんの作る弁当って、美味しいんだもん。」

なんて言うから。
アタシはアッサリ許すコトにした。




「良いよ。食堂で食べる。」

「!!!朔良ッッッ」



倉石が、パッと起き上がってアタシの手を握ってきた。

顔が近い。
美都は、『倉石カッコイイじゃん?顔は』なんて言うけど。

……光の方、カッコイイ。


でも。
今でも、記憶の中の光は…以前と同じ姿をしてて。
それが、少し淋しい。




「一緒ご飯食べね?」


倉石が妙に真剣にそう言う。

「ほぇ?」


「朔良と、食べたいんだ。」



アタシは、倉石に握られた手をジッと見た。
アタシ、やぱ他の男の子には…ドキドキしないわ。


ねぇ?光。



…………ぁ。
また話し掛けちゃった。

空いた手で、髪を耳にかけつつ。アタシは言う。


「奢ってくれるならね。」


< 18 / 70 >

この作品をシェア

pagetop