桜の葉
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「奢るっ!ってコトは、良いのな?一緒にご飯ッッッ」


倉石は、
♪朔良と、ランチだ♪ヤッホーヤッホー♪
なんて歌い始めてて。



……アホだ。


アタシは苦笑を隠せない。





「ねぇちゃん!」


不意に、葉がアタシの腕に抱き着いてきた。

「Σわぁっ!?」


上目使いな葉。


さすが我が弟。
可愛いから。


姉バカ炸裂なアタシ。
ぃゃ、美少年だよね、葉の奴…。

変な虫が着かないように、ねぇちゃんが見張ってやるわっっ!



……ストーカーだから。
冷静なアタシの半分が突っ込みを入れるんだけど。

多分、アタシは本気……。



「オレも、一緒に昼飯食べて良い?」

「うん?良いよ?」


葉は、倉石を睨んでる。
ぉ?
どぅした?



「ねぇちゃんに、悪い虫が着かないようにっ、オレが傍に付いてるからッ!!」

「ほゎっ?」



アタシと同じコト言ってるょ(笑)。
アタシは、アハハっと笑った。




「大丈夫だょ。」

アタシは、葉の頭を撫でる。


……アタシは、まだ光が好きだから。





眼を伏せたアタシに気付いたのか、葉は手を離した。







こんな風だったから、アタシは気付かなかった。


葉とアタシを、見ていた視線にも。
その視線の持ち主にも………

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