桜の葉
光の家は、誰も居なかった。

シーンとしてて、少し薄暗い。



「光兄ちゃん?」



光は、アタシより先に帰ったはずで。
確か、お母さんとどこかに行くとか言ってたはず。



そんな時。





ピルルルル。ピルルルル。


家電が鳴った。
妙にビックリするアタシと葉。


葉は、不安そうにアタシを見上げた。




「……アタシが取るよ。」




他人の家の電話だけど、アタシは取る。
もしもし?と言いかけて、アタシは口を閉じた。





「…………ぇ?」





頭が、瞬時に白くなったのだけは覚えていた。


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