桜の葉
サミシイ
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「ぁ~ぁ……わっかんないなぁ…」


アタシは。
結局学校に居ます……。



大きく溜息をついたアタシの顔を、倉石が覗き込んできた。


「朔良?何かあったのか?」

「まぁ…ちょっとね。」

「今日は、弟と一緒じゃないんだな?喧嘩でもした?」

「喧嘩はしてないよ。」



アタシは、倉石を見た。
倉石は、ニコッと微笑んでくる。



++++

葉は、アタシが着替えようとしたら、いきなり怒り出した。

『ッッッ朔良ねぇちゃんっ!今、オレに襲われかけたのにッッッ、その男の部屋で着替えるのっ!?』
って。




……襲われかけたのは事実なんだけど…。




「葉は、弟じゃん?」



アタシは、無意識に立ち上っていた。
倉石が、ちょっと驚いた顔でアタシを見上げる。



「弟の前で着替えたって…良くない?!」



倉石は、笑って。

「弟とは言え、男だぜ?しかも、血の繋がらない?…俺なら即行襲うね。」

なんて言ってきた。



アタシは、固まる。
葉に触れられた場所から、手の感覚が蘇ってきたから。







「血が繋がってなかったら、だ、誰でも襲う訳//!?」


アタシは、今更ながら顔が熱く感じて、両手で自分の頬を挟んだ。

倉石は、何だか一瞬眉をしかめて。



「悪いけど、俺は朔良以外は抱かないし、キスもしないぜ?……ってか……」


倉石は、アタシの手首をパッと掴んだ。
それだけのコトなのに、アタシは妙にびくっとしてしまう。



「……葉と、何かあっただろ?」


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