桜の葉
+++


帰り道。
アタシは、いつもと同じく、葉のクラスに迎えに行ったんだけど……葉は居なかった。


「葉、今日は休みっすよ//」


妙に上擦った声で、葉のクラスメイトが教えてくれた。





サボりかい。
全くもぅ……葉、どぅしちゃったんだろ?


アタシは、顔にかかった髪を耳にかけた。


「帰ろ。」





帰る前に、光に逢いに行こう。
アタシは、いつものサクラの木に向かった。



お墓まで、アタシはほとんど行ったコトがない。

お墓は……本当に光がこの世に居ないんだって…アタシに突き付けてる気がして…あまり行きたくなかった。



いや。
居ないんだけどさっ!



アタシは渇いた笑いをして…桜の木に手をついた。


葉がちょっと変だよ?
ねぇ。
どうしたんだと思う?



アタシ、葉にキスされちゃった。
兄弟揃ってキスされちゃった。
アタシ、モテモテ


…なんて。



「光ぅ……。返事してよ。」





アタシ…完璧独り言。
不毛だ………。




アタシは、暗くなってきた校庭を抜けて、校門をくぐった。

そのアタシに、思いがけず声がした。



「さ、く、ら」



「のぁッッッ!?」



誰かが、そこに居るなんて思ってないアタシは、かなりびっくりした訳で。

思わず鞄で、顔も確認してないその人の顔を思い切り殴ってしまった。



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