桜の葉
アタシは、葉を連れてタクシーに乗った。

走りながら、アタシは葉からお父さんの携帯を聞く。




「朔良ぁ?ねぇ、どうしたの?」



葉は、もぅ半泣き。
アタシは、葉の頭を片腕で抱きしめた。



「……光と、お母さんが、事故に、遭ったって。」



不思議なくらい、アタシの声は震えてた。

ヤバイ。
しっかりしなきゃ。





葉は、アタシの手をぎゅっと握って来た。


……大丈夫……ってくらい、言ってあげられたら良かったのに。

アタシは、葉の手を握り返すだけで精一杯だった。





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