桜の葉
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…………。
今、23時。


「……帰って来ないよーッッッ光ぅッッッどぅしょーッッッ!?」



アタシは、他人の家に一人。
食事の準備だけして待ってる。

葉が帰ってきたら、絶対問いただしてやるんだ…なんて思ってたんだけどね…。


ハッキリ言って、涙出そう。




アタシの頭の中で、光が事故に遭った時の……白い顔が何度も浮かぶ。

それが、葉と重なる…。



「チクショウ…。」


アタシは、顔を擦った。
泣くな、アタシ。


心配させやがってッッッ!!




アタシは、上着を掴んだ。
外に出ようとして……足を止める。


倉石の顔が、不意に浮かんだから。



アタシは、倉石にメールを送る。

『葉が帰って来ないから、探しに行く(`□´)』



直ぐに、返信が来た。


『俺も行く。光の速さでそっち行くから待て』


アタシは、フッと笑う。


……光……。
漢字を見ただけで、アタシ、泣きそう。

何で居ないの。
光のバカバカバカ。



あんたの、弟でしょう?






「ェェィッッッ!!あのアホちゃんめッッッ!!見つけたら、ぶん殴るッッッ!!」





バイクに、ノーヘルで乗ってんじゃねぇッ!!



アタシは。
勝手に緩みそうな涙腺にストップをかけて。



外に出た。

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