桜の葉
病院に着いて。
一番先に見たのは……



たくさんの管が身体に付いてる光。



真っ白な顔して、動かなくて………アタシは、声が出なかった。




「兄ちゃんっ!!」



葉の声で、アタシはやっと手が動いた。

アタシの手は冷たいのに、ジットリ汗を掻いている。

首から上が熱くて、お腹がドクンドクンと脈打っていた。





あれ。光………?




目の当たりにしても、アタシには信じられなかった。

きっと、別人だ。



そう思いたかったのに。
アタシの頭は変な場所が冷静だった。



だって。
太陽が爆発したって……光を見間違うコトなんかない。


ずっと、ずっと見てたんだから。


光が、隣に居ないコトなんか、なかったんだから。


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