俺の彼女。2
今日は滅多にないノート点検の日で、たまたま今日が日直だった私。
クラスのみんな分のノートを集めて国語準備室に来いという命令。
国語準備室は新校舎にあって、授業と授業の間の10分休みの間に行くため
重いからと言って二回に分けるのは時間が足りないし、
しかも遠いから面倒臭く、一回で行っちゃいたいという私の堅い意志。
よしっ!と気合いをいれて重いノートの塊を持ち上げた瞬間、
「ハルー!俺も持とうか?」
と救世主の声。やはり、タカヤだ。
この優しさに胸が締め付けられるほどキュンとする。
いいか、私、勘違いはするなよ。
いつもなら断るけれど、今日の任務は自分一人じゃ無理そうだ。
「ごめん、タカヤ。お願いしていい?」
「珍しー!ハルが断らなかった!」
「え?ごめん、断った方がよかった…?」
「いやいや、いつも遠慮して断るのに今日は素直で珍しいなぁって!
早く行っちゃおうぜ!よりによって次、教室移動だし!」
好きな人に、素直で珍しいって言われるって、私普段どんだけ素直じゃないんだろう。
って、次移動だったんだ!
「タカヤ、ごめん!ありがとう。」
「いいって、いいって!」
と私が持っていたノートの三分の二も持ってくれた。