俺の彼女。2



「なぁ、ハル、あと一分でチャイム鳴る。」



国語準備室から出てからわずかの出来事。



私たちはやばいという顔を見合わせた。



「走ろう!」


「え?」


「早く早く!」



タカヤは私の手をとり、走り出した。




もうすっかり人がいなくなった廊下を二人で走り抜ける。



「はははっ!なんか青春っぽい!」



「なんで、俺らこんなに必死に走ってんだろ。」



「長崎先生のせいだよね!」



きゃはははと笑いながら長い廊下と上りの階段を突破し、教室に着いた。




「あ、移動教室だったんだ!!!」



キーンコーンカーンコーン




教室に来ても鍵は閉まってた。


移動教室の時は学級委員が鍵を閉める決まりだから。




「はぁはぁ…、結局、鳴っちゃったね!」



「はははは〜!せっかく走ったのにな!」




静かな廊下に二人の声がよく響く。



そして、慌てて繋いでいた手を離した。



「ごめん、急がなきゃと思って!」



「……うん。」





「あのさ…ハル…、俺




< 103 / 114 >

この作品をシェア

pagetop