哀恋心(上)


帰り道は雨だった。

部活の顧問には、

「あなたの顔が見たくないんで
帰ります。」

と言い捨てて出てきた。

「…っ… ひっく… ふええん…
しゅぅ~…泣」

まるで子供みたいに、
雨の中泣きながら歩いて家に帰った。


部屋の中で私は、
ただひたすらぼーっとしていた。

どうしてあたしはこんなにも
惨めなんだろう。

あたし… 前世で何か悪いことでも
したのかな?

こんなにも報われない人生なら、
こんな人生いらないよ…。

また、
涙が溢れ出す。


< 53 / 74 >

この作品をシェア

pagetop