哀恋心(上)
隣で寝てる愁に気づかれないように、
声を押し殺して泣いた。
けど、愁は気づいてくれた。
「ん…?どした?泣いてんの?」
「ぐすっ…うぅんっ…だいじょ…ぶ、」
ぎゅーっ
「え…?」
「泣くな。」
そっと耳元で囁く。
そんな優しい言葉かけないでよぉ…っ。
愁は強く、
でも優しく。
まるであたしの心の傷を癒すかの
ように抱きしめてきた。
「わああああっ…愁~…っ…
ど…してっ こんなことに
なっちゃったのっ…」
「泣くなって、ばか。」