オオカミ達と甘い時間
あたしの部屋は…男子B寮の一番端っこ。
『教師寮』っていうのもあるんだけど、保健医だから生徒の一番近くにいなきゃいけないんだって。
今男子は授業中だし、誰もいないよね?
あたしは鼻歌を陽気に歌いながら向かっていた。
「あのー、うるさいんだけど」
「…えっ?」
後ろからの突然の声に、あたしは振り向く。
そこにはドアから顔を出した、男子生徒。
それもかなりの…イケメンだった
女子のあたしがうらやましいような長い睫毛に、キリッとした瞳。
今起きたと思わせるような黒のボサボサの髪が男子の顔を隠していた。