ポリフォニー
「な、なんであの男の同族だと思うの?」

「髪」

ルナ、と名乗る少女はアルミナのフードを取る。

「ほら、黒だ。黒い髪なんて見たこと無い」

ルナの口元が笑う。
だけど目は真剣だ。怖い。
アルミナはフードを目深に被りなおした。

「ミナよ。半分だけ幻魔の民」

「ハーフ?珍しいね」

ハーフそのものは珍しくない。
けれど、集団意識の強い小数民族は、外と交わることが少ないのだ。

「そうだ、ちょうどいい。帝都を案内してよ。王国から来たばかりなんだ」

ルナはにこっと笑って手を伸ばした。
アルミナはうっかりその手をとってしまい、気づいたときにはルナに手を牽かれて表通りに出てきていた。
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