闇月桜そして闇
旅をしていた白い帽子は旅を終え、赤く染まる。

「!?
かあさん!?」

ユミは一心不乱に母に駆け寄り、赤く染まった体を抱きしめる。

「や、、だよぉ。死んじゃやだよぉ!!
おかぁさん! おかあさん!!
な、んで? やだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





ユミには"あの少女"が見えなかった。


見えていたとしても、もう傍には存在していなかったが。




ピンク色のおろしたてのスーツが

赤く

赤く染まり、母は糸が切れた操り人形の様に


動かなくなった。


母の顔には何故か笑顔が浮かび、とても嬉しそうに見えた。


「、、。
口紅、やっぱりつけてきたらよかった、ね、、、、、。、、か、ぁさん、、。」











「あぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁああぁああ!!」



地面に座り込み顔を埋めひたすら泣き叫ぶ、、。






ユミはそこから動く事が出来なかった。






白いクマのぬいぐるみを抱いた少女が再び現れたのに。

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