闇月桜そして闇

周囲よりも一際目立つ豪邸に二人の悪魔が舞い降りた。

其処では何やら騒がしくパーティーが開かれている様だ。

「ヴァーナ様っ！
何やら美味しそうなご馳走が沢山ありますよっ！！」

食べ物に目がない可愛らしい少女は窓に貼り付いて中の様子を伺う。

「、、、。 はぁ。
ロニティー、恥ずかしいからやめなさいよ？
アタシ達はこれからもっと美味しいご馳走を頂くのよ？」


「えー！
召し上がるのはヴァーナ様だけですよ？
私はあっちのほうがイイですぅ！」

豪華な内装に、華やかな衣装を纏った男女。
テーブルには高級イタリアンがズラリと並べてあり、その横には年代物らしきワインボトルが沢山並べられていた。




「山崎社長。
今回の業務提携、おめでとうございます！」

白髪混じりの中年の男性は
自分よりも遥か年下と思われる男性に声を掛ける。

「あぁ、中松さん。
有難う御座います。今回は中松さんのお陰で実現したようなものですから。」

「いやいや。
社長のお人柄あってこそでしょう？
私は何もしておりませんで。」

「ははっ。またまた。本当に感謝してるんですから。」

白い歯をみせ爽やかに微笑む若い男性。
その足元に隠れるようにしがみ付く少年、、。

「あ、マサシお坊っちゃまもいらしてたんですね。
こんばんは〜。」
腰を低くし、少年と目線を合わせる。

「、、、。
こんばんは！おじ様！」

「いつも元気ですねぇ。
大きくなるのが楽しみですね、社長？」

「あ、あぁ。
そうですね。早く大きくなってもらって、活躍して欲しいです。」

「マサシ〜？
何処へいったのぉ？」

水色のドレスを纏った女性が周囲を見渡す。

「ハルカ。ここにいるぞ。」
足元を指差し、女性を手招く。

「あら、すいません。
中松さん、今回は有難う御座います！主人とも話してたんです！」

「いやいや、奥様まで。 私は何も、、。」