闇月桜そして闇
学校では話す事が無い。

話しかける事もほぼ無く、そこに僕は存在して居ないらしい。

居場所が無いというよりは、存在すらして居ない。
先生は立場を気にして話しかけるが、特に何も行動は起こさ無いし。

一人を感じれる場所を求めて彷徨う結果、だいたい屋上に居る事が日課になった。

太陽は好きじゃない。

眩し過ぎで僕が無くなりそうで怖くなる。

だからいつも僕は影に惹かれていく。

いっそ世界が闇に飲み込まれてしまえばいいのに。
そう

思う時もあった。

黒と紫の交じり合う不思議な影の色に惹かれてそこへ横たわり、ゆっくりと眼を閉じた。



眼の前には闇が広がっていて

そこには一人の哀しげな少女の姿が見えた。

「、、、。貴方、ワタシが分かるの?」
僕と同じ歳に見える少女は手に白いクマを抱いていて、肩の下まで伸びた金色の髪の毛を二つに束ねていて、何故か僕と同じ制服を着ていた。

眼を開けると消えてしまいそうな気がして

そのまま答えた。
「っうん、、。 見えるよ。君が。」

手を伸ばしてみるけど、触れる事は出来無いみたいだ。

「そう。なら。
貴方の中にある闇が欲しいの。」
近づいてきて、僕の頬に手を添えた。

「僕の ー、、。闇?」

「貴方の闇は壮絶なエネルギーになる。
貴方もこんな世界が嫌で仕方ないんでしょ?」

耳元で囁く甘い誘い ー。
「人間なんて全員居なくってしまえばいいのに。
って思ってるんでショ?」

「ねぇ。ひとりぼっちのマサシくん?
ワタシと組めばこの気怠い世界も人間もみーんな無くなって
貴方の好きな世界に変える事が出来るのよ?」

頬に添えられた手が首へと周り

徐々に力が込められていく ー。

「なっ、んで、僕の名前をっ。」

「あぁ。
貴方これが一番嫌いよね?
葡萄酒。」




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