青空にさけぶ。
びっくりした。
上木君があまりにも
無邪気に笑うから。
やわらかくて
優しい笑顔
『女子には笑わない』とまで
言われた上木君が。
『は?何言ってんのっ
いこっ亜弓!』
あたしはぷいっと振り返り
すたすた歩き出した。
『上木君またね』
亜弓が上木君にそう言って
すぐに追いかけてくる。
『亜美~。あれはひどくない?』
しばらく歩いたところで
亜弓が言った。
『ごめん‥
亜弓が好きなのは分かってる
けど‥あたしはアイツ
好きになれないっ』
そう言ったけれど
心の中では少し違っていた。
さっきの笑顔‥
ちょっとドキッてしちゃった
また
上木君と喋れないかな‥