青空にさけぶ。
次の日は学校だった。
いつも通り亜弓と登校して
クラスの子たちも交えて
昨日のテレビの話をする。
チャイムギリギリになって
上木君が教室に入ってきた。
剣道部の朝練をしてるから
いつもギリギリに来る。
クラスのほとんどの女子が
(亜弓も含めて)
上木君に注目する中
あたしはあえて目線をそらす。
『なぁ湊
巻き小手教えてくれよ~』
同じクラスの剣道部の部長も
続いて入ってきた。
『お前にはムリだと思うよ』
笑いながら上木君が言う。
『上木くんっ!』
駆け寄ったのは亜弓。
『おはよう!朝練お疲れさま』
かわいらしい声で亜弓が言う。
『うん。ありがとう。』
上木君はいつものように
無表情で答えた。
これも
いつもの光景。
‥冷たいヤツ。
亜弓があんなに一生懸命
アプローチしてるのに。
あたしはそんなことを
考えながら授業をやり過ごした。