青空にさけぶ。
長いきれいな髪を揺らして
亜弓が走ってきた。
亜弓は小学校のときからロングの髪で
顔立ちもあたしなんかよりも
ずっとかわいい。
中学に入ってまだ一度も彼氏がいないなんて
嘘みたいに思える。
『ごめんね亜美ーっ!』
肩で息をする亜弓が遅れたことを謝る。
『亜弓はいつも遅刻だよ?仕方ないなぁ』
あたしは少しだけ顔をしかめた。
でも内心は全然怒ってなんかない。
小学校のときからの付き合いなので
亜弓の遅刻にも慣れてるからだ。
『だって服が決まらないんだよ~?』
『はいはいー、はやく図書館いこ?』
『あっ、いまスルーしたぁ!』
笑いながら あたしは先に歩き出す。
亜弓も笑いながら小走りで
追いかけてくる。