青空にさけぶ。
図書館では真面目に勉強した
亜弓は英語以外は勉強は苦手で
特に歴史は
あたしがよく教えてる。
でも亜弓は本当は
きっと勉強もよくできるはず。
亜弓が本気になれば
あたしは何一つかなわない。
『そろそろ帰ろっか?』
夕方になり
あたしがそう言った。
亜弓は嬉しそうに
うんと言った。
『じゃあ、あたし辞書なおしてくるね』
そう言って自習室を出た。
『とは言ったものの』
あたしは困っていた。
辞書のもどす場所に
あともう少しというところで
届かない。
とったときは
亜弓が取ってくれたんだけど
呼んでくるのもなぁ‥
そうだ
高い場所の本をとるための
台があったはず。
あれを借りてこよう。
『そうは言ったものの‥』
台は使われていた。
男の子が台の一番上に
腰かけて本を読んでいる。
悪いけど
言って退いてもらわなきゃ。
『すいませんけど‥』
勇気を出して
声をかけた。
男の子が顔をあげた。