輪廻の輪
玲の章
「…玲、具合大丈夫?」
幼馴染の茜が心配そうに聞いてきた。
「大丈夫だから、茜はもう少し遊んだら?僕はちょっと疲れちゃったから。」
茜は僕を何度も振り返りながら、砂のお城を作っていた。しかし、途中から夢中になってお城ばかり見ていた。
「玲!!ほら、綺麗でしょ?」
そして、完成したお城はとても綺麗だった。僕は立ち上がってお城を見に行った。
「本当に茜は手先が器用だね?こんなに細かいの僕にはできないよ。」
僕は少しきつくなって、茜にもたれた。茜は不思議に思ったのか僕の額に触れた。
「玲!!何でちゃんと言ってくれないの?帰ろ?」
僕は首を振った。せっかく遊びに来たのに…。
「ダメ。今度また来よう?」
僕は渋々頷き、茜はふらふらな僕の肩を持ちながら、家へと向かった。
「…大丈夫?」
僕は頷いたが、茜が大丈夫じゃなさそうだ。
しばらくして、僕の家についた。茜はすぐに帰ろうとしていたが、僕は引き留めた。