青い瞳のガレア
 ガレアは月に視線を戻す。

「魔界で何か起きているんだろうか?そうだとしたら、…いや、まさか」

 ぶつぶつと呟くガレアの言葉に、シャーラステアは思い当たる事があった。

「ひょっとして、崩落がまた起きる?」

「考えたくはないけど」

 ガレアの表情が険しくなる。

 かつて人と魔族が争っていた時代、両界の力が拮抗したまま戦況が停滞した。

 滞留する力が飽和を越えた時、凄まじい奔流が人と魔族を襲った。

 押しとどめられていた力は歯止めを失い、双方に壊滅的な被害をもたらした。

 この災害を、だれともなく『崩落』と呼ぶようになったのだ。
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