青い瞳のガレア
「…影王が…魔界の波動を、意図的にこちらへ強く送っているように思えてならない」

 ガレアの青い瞳が光を帯び、開いた窓から吹き込む風に、腰まで伸びた黒髪がざわめいた。

 透き通るような白い肌が、夜風に溶けていくように、シャーラステアには見えた。

「なぜそんな天啓が、あなたに見えるのかは分からない」

 シャーラステアは栗色の髪を束ねた赤い結い紐を解くと、ガレアに歩み寄る。

 並んで立つと、年下のガレアは頭一つも背が低い。

「あなたは烏の眷族なのよ。不吉な予兆を察し、警告を語るのが使命」
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