ヴァージンチェリー
「あ、ごめん」


謝ると、タクは本気でムッとしていたわけじゃなかったらしく、表情を緩め、溜息をつきながら、シートに深く体を預ける。


「離婚はさぁ、さっさとやれよって感じだったから、別にいいんだけどさぁ」


確かに。

心の中で頷く。
タクの両親は、私たちが小さい時から喧嘩ばかりしていた。
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