ヴァージンチェリー
目的もなく外をぶらぶらしたって
結局、私はちゃんと家に帰っている。
まったくもって臆病なのだ。
もし、変なヤツに襲われたりしたらなんて考えて。

親友のゆかりは


「サヤは、処女だからそんなこと考えちゃうんだよー」


って笑うけど。


つまり、なにがいいたいかって言うと、
今日だって、
ちゃんと家に帰るつもりだったってこと。


そのつもりのはずだった、のに。


窓から見える景色は知らないどこか。
隣にいるのは幼馴染のタク。
今日中に家に帰れるかどうかは分からない。


新幹線は時速300kmで東京から逃亡中。
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