ヴァージンチェリー
私の言葉にタクは痛いところを突かれたというように顔をしかめ、黙った。

到着するなりの口げんかは、私に軍配があがったらしい。

タクはムスッとしたまま隣を歩く。
そんな彼の横顔を見ながら私も歩く。

少し目線が上に上がっただけで、タクは小さい頃と少しも変わっていない。

なんとなく安心した。
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