ヴァージンチェリー
タクは躊躇いもなく入っていく。

なにが悲しくて、こんなとこまできて吉野家なんだろう。

そりゃ、高級なお店に行く気なんてなかったけど、いくらなんでも吉野家はないでしょう。

美味しいけど、なんか間違ってる気がする。

そんな私に全く気づいた様子もなく、タクはさっさと注文を終えていた。


「お前の分も頼んどいた」
「また勝手なことして」


にしし、と笑うタクに私は呆れた顔で返す。
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