ヴァージンチェリー
その時、思い出したんですよ。
ああ見えて、タクだってアレがついてる男の子だったってことを。

うっかりしてました、本当に。


足を床についたまま上半身だけベッドに倒し、私はまた誰かに話しかけてみる。

答えはシャワーが止まる音。
倒したばかりの体を慌てて起こす。


「いやー、あったまった」


ポカポカ上気した頬で出てきたタクはやっぱり男の子には見えなかった。

そのことになぜだか少しホッとする。
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