ヴァージンチェリー
「別に気にしないから一緒に寝ようよ」
「はぁ?」


なに言ってんだ、という顔をするタクの頬の色は赤。

タクがドキドキしているんだと思うと、逆にどんどん私は冷静になってくる。

私は恋愛ごとに関する何かがどこか欠如しているのかもしれない。

もしくはお子様なだけだろうか。


『あんたはまだ子供だから』


不意にお姉ちゃんの笑い声が聞こえた気がした。

じゃぁ、どうやったら大人になれるの?

聞かなくても、お姉ちゃんが言いそうな答えは想像がついた。
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