ヴァージンチェリー
「どっかってどこよ?」
「別にどこでもいいけど」

「どうして?」
「一人で傷心旅行も寂しいじゃん」

「傷心、ってなに?」
「傷ついた心」

「あなた、傷ついてるんですか?」
「そりゃ、もうずたずたに」

「それを癒す旅に私についてきて欲しいってこと?」

「そういうこと」


脊髄反射の会話終わり。
私は満足げに頷いたタクをマジマジと見やった。
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