抱えきれないくらいの花束を
「何があったんですか?」
心配そうな護さん、圭護さんのやってきた
「大丈夫です」
「でも……」
二人が心配するようなことはおきていない
自分の感情がついていかないだけ
「お茶いれようか」
まだ心配そうな護さんをよそに圭護さんは優しく笑った
「私が……」
「いいよ。まだ立てないでしょ?兄貴も座らせるほうが先じゃない?」
圭護さんの声に漸く護さんも眉間の皺を解いてくれた
「少しだけ失礼します」
そういうと私の体はふわりと冷たいフローリングの床から浮いた
「え……」
初めてではない。なのに、あの時よりは心が冷静なせいか心臓がうるさい
ソファに座らせられると同時に目の前に出されたのはホットミルク。
シナモンが隠し味の私の好きなもの
「かすみちゃん。少し不自由な生活になったかもしれないけど、今までよりも自分のことを考えて生きて良いんだからね。総理もそれを望んでいる」
「自分のこと?」
よくわからない。