抱えきれないくらいの花束を
「…わかりました。準備します」
この人たちがここに来た時点で全ては決まっていたんだと思う
「お母さんはどうなるんですか?」
「容体が落ち着き次第東京に。それまでは県警と協力しながら24時間体制で警備します」
「行く前に会えますか?」
当分は会えなくなる
「時間がありませんので」
「良いじゃん。会わせてあげよう」
「お母さん」
「かすみ」
病室は特別室になっていて
スーツ姿の人がいっぱいだった
「よろしいですか?」
何も聞けないまま先ほどの2人を含めた4人に囲まれて病室を後にする
扉が閉まる直前
ごめんね
そんな声が聞こえた気がした