抱えきれないくらいの花束を
幸田首相夫妻暗殺
そのニュースは一気に日本中をかけ巡る
それは少女の元にも届いた
「え?」
「かすみちゃん。聞いた?いよいよ日本も終わりだね」
「……」
帰り支度をするかすみは口ごもる
入院中の母親を抱え、定時制に通いながら生活する彼女にとっては、毎日が精一杯で、関心を持つ余裕などなかった
「次の首相は永山氏が有力か」
「お先に失礼します」
その会話がここでの最後の会話になるとも知らずに