抱えきれないくらいの花束を
着替えをと言われ、用意された服に袖を通す。護さんが安全を確認してくれた。今は私に背中を向けている
「カッターの刃が仕掛けられていた」
バスルームから戻った圭護さんが、タオルにくるんだものをそっと開いた
「っつ」
ノック音の後入ってきたのは二人が班長と呼ぶ新保さん
「カミソリの刃でした。おそらく命を狙うのではなく、脅しかと」
圭護はタオルごとカミソリを渡した
「今、ここにいた職員全員を調べている。内通者がいたなど、大問題だ」
「はい」
「かすみ様。1つお話しておかなければならないことが」
二人に向けていた視線をくるりと変え、私に向き直る
「永山首相は、大きな改革を行おうとされています。1番は治安の回復。反発も多いことでしょう。それ故に」
少し言いづらそうに口を閉ざした後
「狙われる確率幸田首相の比ではないといくことです」