抱えきれないくらいの花束を
「怪我はありませんか?遅くなって申し訳ありません」
差し出された手を思わず掴んだ
「清原かすみさんですね?」
「どうして私の名前……」
この人たちも知らない
なんで?
さっきから
知らない人が私の名前を知っている
「その話はまた後で。一先ず乗ってください。アパートで話をしましょう。ここは危険です」
黒い
テレビでよく見る車
「我々はただ迎えにきただけですので」
扉が開けられた後部座席に恐る恐る乗った