ふたり
「落ちてたんだよ。でも違う人に拾われたら可哀想だし、捨てるのもおかしいかなって思ってさ」
「お、お礼は言いますけど!あんまり馬鹿にしないで下さいっ」
「はいはい。でも、それ酷すぎ!俺、勉強教えてあげよーか?」
口角をくいっと上げ、得意気に笑う男子。
「やっぱり馬鹿にしてる!あなた誰なんですかっ?そんな事言って、あさきと点数変わらなかったりして」
あーゆー上からタイプは実はあんまり頭良くなかったりするんだよ。
「あ、俺?俺は2組の秋谷聖太。わりーけど、あさきより馬鹿じゃないぞ」
かちーん!!
「聖太ね!あさきに勉強教えるとか、よっぽど頭良くなきゃ無理だよ?!」
軽く八つ当り。
だってムカつくんだもん!(笑)
「ふ!やる価値はあるかもな。明日から放課後図書室来いよ?」
「え!?マジ!?」
「聖太様の特別授業開いてやるんだからぜってぇ来いよ?んじゃな」