ふたり
お母さんは帰りが遅いお父さんの分も
あさきを叱りつけて、ここ最近ずいぶん疲れているみたいだった。
それを見て、苛立つ気持ちと「ごめんなさい」が入り混じる。
「はぁー…お前の馬鹿さにため息しか出ない」
「……」
あさきは何も言えない。
そんな自分にも腹が立つ。
「さっさと勉強しなっ!!」
投げやりに言うお母さんの言葉に、あさきの足はゆっくりと部屋に向かった。
「はぁ…」
なんか、泣けてきたよ…。
あんなお母さんにしたのもあさき。
自分に嫌な思いをさせてるのもあさき。
馬鹿みたい…。
ただ、勉強すれば良いだけなのに…
何で出来ないのかな?