ふたり
外のベンチの前について、ようやく男子は口を開いた。
「…ふっ」
「な、なんで笑っ…」
やけに綺麗に笑う男子。
「告白だと思った?」
「え?!」
一気に顔が赤くなるのが自分でも分かった。
「羽崎あさき…なんで俺が名前知ってると思う?」
あ、言われてみれば…!
「えーっと…何で?」
「…コレ」
男子がブレザーのポケットから細い紙を出した。
〈3525 羽崎あさき 34 12 30……〉
それは…前回の中間テストの点数が書いてある紙でした。
「ぎゃあああっ!!!」
「ぷっ!それ、ひっどい点数だな?」
「う…これ、なんであなたが?」
細い紙を一生懸命折まくった。