あの時の君と俺。
自分の目を疑った。
自分の目が可笑しいのか?
自分の目は腐ったのか・・・?
なんで・・・――――
「有くん・・・久しぶりだね」
なんでだ?
「有くん?」
なんで・・・
「・・・正美《マサミ》」
なんでお前はあの頃のまま何も変わっていないんだ。
俺の目の前に現れた正美は高校時代の時のまま・・・俺が知っている正美のままだった。
「正美なのか・・・?」
声が震える。
「そうだよ?正美のこと忘れたの?」
「嫌・・・なにも変わってないからビックリして・・」
「そう?自分では変わったと思うんだけどな・・・」
どこがだよ・・・。
正美はなにも変わってない。
髪の長さも、
声も、
スタイルも、
肌の質も、
正美はなにもかも変わってない。
高校生の頃のまま・・・――――
「ねぇ、有くん。同窓会行くんでしょ?」
「あ、あぁ」
正美の姿に戸惑ってしまう。
「じゃあさ、少しあたしとデ―トしない?」
そう言って、ニッコリ笑う正美の笑顔がとても怖かった。