あの時の君と俺。



「正美はなにしてるんだ?」


「何してると思う?」


疑問を疑問で返してくる。


「花屋?」


確か正美は花が好きだったはず。



「違うよ」


「え?じゃあ、何してんだ?」


「ウフフフ。なんだろうね。あっ、高校着いたよ」


「え・・・」



目の前は俺が3年間通い続けた高校。


なんでだ?

早すぎないか?



俺たちがいた場所から高校まで歩いて30分は掛かる。



なのにまだ10分もしてないのに・・・目の前は高校。


どうしてだ・・・?



「校舎の中に入ろうよ」


「あ、あぁ」


正美はなにも思わないのか、普通に校舎の中に入る。

俺が勘違いしてただけかもな・・・。



「早く」


「おぅ」


校舎の中に入ると、まず行ったのは図書室だった。



「そういえばさ、あの時のこと覚えてる?」


「あの時って?」


「あの時だよ。あたしたちが付き合い初めて授業サボって図書室でしたこと」


正美は顔を赤くして言う。



図書室?正美?


そういえば・・・


「俺たちが初めてヤった場所だよな」


「ヤったとか言わないでよ」


正美は俺の背中を叩く。

じゃあどう言えば良かったんだ?


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