あの時の君と俺。
「あたしが授業中に有くんにラブレター渡したんだよね」
「あの時はビックリしたよ。お前いきなりだし」
これは覚えていた。
初めて授業中に告白されたから印象が強かった。
「いきなり後ろから貰った紙には『好きです。付き合って下さい』。あれはビックリしたよ」
「ウフフフ。直接言うのは恥ずかしいから言えなかったの」
「でも、そんな行動が可愛くて俺OKしたんだよ」
これは本当だ。
ピュアなラブレターの告白に正美が可愛く見えて俺は付き合うことにした。
「あの時の『いいよ』って書かれた紙見た時泣きそうになっちゃったよ」
ゾクッ
まただ・・・――――
正美の笑顔が怖い・・・。
「もう同窓会行かね?」
早く学校を出たい。
正美といたくない。
「え―、じゃあ最後に屋上に行こう」
3年の教室じゃなくて屋上?
「分かった」
「じゃあ・・・行こっか」
なぜか悲しそうな顔をする正美。
「あぁ・・・?」
そんな正美を疑問に思いながら2人で屋上に向かった。