あの時の君と俺。
ガチャ
「懐かしい―」
「そうだな」
屋上はとても広かった。
「屋上での思い出ある?」
「ん―・・・慧らと野球してて、俺が打ったボールが落ちて校長に当たりそうになったこと?」
あれは今でも覚えている。
ボールは硬式。
校長がもしも当たっていたら死んでいたかもしれない。
笑えない思い出だ。
「・・・そっか」
「正美は?」
「あたし?」
「おぅ。思い出があるからここ来たんだろ?」
「・・・うん」
「何なんだよ」
「あたしの思い出は・・・」
♪~~~♪~♪♪~♪♪~
「あっ、悪ぃ。電話だ」
電話の相手は慧だった。
「はい」
『おい、まだ来ねーのかよ』
「今高校に来てんだよ」
『ハァ?高校?誰とだよ?』
「ま、わっプッ
プッー
プッー
「正美、なんで切ったんだよ」
正美は俺の携帯を掴むと電話を切った。
「あたしと話してるんだから、電話に出ないでよ」
俺を睨むように正美は見てきた。
・・・思い出した。
俺と正美が別れた理由。