自分の中の自分
「よし、朝輝座っていいぞ」
やっと視線地獄から解放の合図がでた。
「じゃあ明日までに残りの3ページ分宿題な、朝輝きちんとやってこいよ」
再びクラス中の視線がクスクスという小さな笑い声とともに向けられた。
「またまたクラスのMVPだな」
授業の終わりを告げるチャイムと同時に隣の席の諒太が話し掛けてきた。
「笑えないよ‥」
僕からしたら未希から呆れられる要因であるから一大事だった。
「まあ気にするな、購買でパンおごってやるよ」
「もちろん飲み物付きだよな」
笑って返したけど正直今日は何故かすっきりしなかった。
いつもは自慢の前向き思考で引きずることはなかったから、余計にさっきの授業中の影像か頭に浮かんだ。
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