幼なじみの銀髪男。【完】
あぁ。
通りすぎれば良かった。



俺はがく然と今の光景を見るしか出来なかった。





ノンが坂上にキスをされた。



ノンは驚いたのか、目を見開いてドンッと坂上を突き飛ばした。



そして、ノンは今にも泣き出しそうになって走り去った。




追っかけることも出来ない俺は坂上に怒りをぶつけた。





「テメッノンに…」

胸ぐらを掴むと、坂上は切なそうにした。



「負けたよ…。
希美ちゃんには波多野君が必要なんだね。」




「なにいってんだ?」



「もう諦めるよ。
希美ちゃんはいっつも波多野君を見てるよ。」





「ノンが俺を…」



ノンは俺を気にしてくれてたのか…



俺は波多野を離した。




「坂上…お前にはゼッテエ負けね。」






今のは相当きいたぜ…


でもな坂上…
ノンのファーストキスは俺。


ノンは覚えてねーと思うけど…



幼稚園の時、
泣き止まないノンに俺はキスをしたんだ。



まぁガキのする事だけど。


これだけは坂上に勝てる。ノンの初めてのキスは俺。
俺の初めてのキスもノン。




だから………



「まぁ許してやるよ。」




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