幼なじみの銀髪男。【完】
*希美saide*


バコッ
ボコッ……


倉庫に鈍い音が響く。


ライとキラの戦いが始まってから数分……。


お互いフラフラになってるのにどっちも譲らない。



さすがブラスタのトップだよ。


ライはライで力一杯殴っている。



ライ…。
やっぱりライは優しい。
あんな冷たい目で私に言ったのに結局は助けに来てくれた。



そして、



「……チッキショ…。」


バタッ…。




ボコッという音と共に、
崩れ落ちるキラ。





「わりいな…キラ。
テメェなんかにノンは渡せねーんだわ…。
ノンは俺のだ。」



え…?今俺のって…
それって…!?



目を真ん丸にしてライを見るとライは口から垂れた血をぬぐってフラフラになった体をしっかり立った。




そして何も言わず、優しく頭を撫でてからふわっと着ていたパーカーを私にかけてくれた。




「ライ…今…私の事…」


俺のって?


そう聞きたかったけど



「ったく…世話のかかる奴…」



そう言い機嫌が悪そうにボソッと呟いた。



やっぱりなわけないか…




< 119 / 156 >

この作品をシェア

pagetop